宇久田税理士事務所発行の事務所通信 とらい&GROW438号(2024年10月)

成長の中身を考え直す

自民党の総裁選挙が終わった。石破新総裁、他の立候補者もこぞって、「経済成長」「景気拡大」を言っているような気がしてならない。

私は思う。「規模的成長」はもう無理だと。これからは格差を解消し、生活面の潤い・生きる豊かさ・自然災害を最小にする世の中、循環社会の実現、いわゆるSDGs持続的社会を目指す世の中と言えるのではないか。

このSDGs路線は地味で息の長い「従来型成長」「規模的拡大」と異なった世の中ということになる。逆に地球にやさしく、永続する社会の到来ということになる。成長・拡大アクセルは控えめに、環境により配慮した社会ということになる。
これは蒸気機関から始まった産業革命的成長から身も心も路線変更を意味する。

では経済の成長はどの分野になるのか?
それはモノの「再生」「修復」いわゆる再生産の分野となるのではないか。
あわせて歴史文化の「尊重」「郷土の見直し、再発見」「教養の重要さの認識」、いわゆる長き人生の味わいを増す生き方に沿ったものとなろう。

そういう意味からいうと、これからは規模の大きさではなく、やっている中身、造っているモノ・サービスによる隙間に存在する大手企業は目を向けない。これこそ中小分野に勝機があるのではないかと思う。

見つけ出すのは至難の業であろう。生みの苦しみであろう。あらたな創業を意味するのであるから・・・・・コブ造り理論がある。現状の態様は変えず新たなコブをつくっていくというものだ。これだと現状を変えず現状の中でコブを造っていく。リスクは発生しない。「本業を続けず、本業を離れず」の精神で精進しましょう。

(宇久田 進治)