宇久田税理士事務所発行の事務所通信 とらい&GROW444号(2025年4月)
相続は次世代への”恩つなぎ”
相続では相続人同士によって遺産の分割で揉めることが多々ある。どうしたらスムーズに承継が出来るか。
これは大問題である
私はある財産分割で揉めた場に出くわした。兄弟5人で言い合いになった。5人はそれぞれ他の兄弟との差の不満を言っている。ところが話しの終わりに皆が輪になって祈り合うのである。
それはクリスチャンであった牧師の相続であった。
私は信仰の奥深さを、その時知った。察するところ後に続く子供たちのために祈ったのではないかと思った。 。これは生い立ち、親子の関係、学業援助、結婚への支援・・・。
その他種々、相続をキッカケにこれまでの不満が一気に現れるから、相続人同士で揉めてしまうのは当然かもしれない。すべて良しとはいかないのが相続である。
民法で法定相続分を定めてはいるが、これに従う必要はなく、相続人同士での話し合いということになる。では遺言書があればということになるが、遺言書があるからといって絶対ということはない。
その場限りの一時的なものでなく将来に続くのが相続である。
卑近な例で、よく「墓場まで持っていけないのが相続財産である」と言われる。ある程度のところで、十分ではなくても、折り合えるかどうかが分岐点となる。
人間は人生の中で、いろいろな場面を過去に持つ。破産、離縁、債務、義理の親族関係など複雑である。話し合える相続人同士ばかりではない。そんな時に「遺言書」などの書面を生前に作っておくことが大切となる。
現代、世の中は複雑極まりない。情報はあふれ、長生きは介護、認知症の発症を引き起こす。
そして相続は突然やってくる。決して逃れることができない人生の1ページである。
富める者、貧しきもの、普通の庶民の為、増え続ける相続の案件に寄り添う毎日である。
(宇久田 進治)
